日本映画のいいところが詰まったような映画。
やたら暗い、とか
やたら抽象度が高い、とか
やたらセックスする、とか
やたら泣かせにくる、とか
やたら驚愕のラストを押す、とか
そういうのが無く、
淡々と謎を紐解いていき、
「こういう結果でした。どう思います?」
と、イヤラシさのない問題提起で締める。
本来なら現実的でない「違う誰かになる」という行動だけど、
ボクたちはミラーリングで誰かを真似てみたり
SNSでは偽りの自分を演じたり、時には成りすましたりもしていて、
実はみんなこれまでの自分でない、違う誰かだったりする。
結婚して苗字が変わること、
在日外国人が日本の名前で暮らすことだって
違う誰かになるということで
それ自体は幸せになるための選択肢のはずで。
そんな中「でも、お前本当は○○じゃん」
という言葉を投げかけるのは果てして正義なのかって話。
見終わったあとでキャスティングで唸ったのは、真木よう子。