不慮の事故で夫を亡くした里枝。疎遠だった夫の兄が遺影を見て「弟じゃない」と話した事から、自分の夫は誰だったのかという疑念が沸く。彼女から依頼を受けた弁護士の城古はその謎に迫っていくミステリードラマ。
死んだ夫は身元が違っていた。何故戸籍が違うのか。過去に何があったのか。ストーリー的にもキャスト的にも惹かれるものを感じた作品。期待しての鑑賞でした。
結論から言うと期待通りというか、期待を超えるほどではないけどメッセージ性の強い芯のあるドラマだったなという印象。どんでん返しとか衝撃の結末とかそういった派手な展開はありませんが、地にしっかりと足をつけた内容でしたね。
あまり深く書くとネタバレになるので出来るだけ控え目に書きます。今も昔も差別や偏見によって苦しむ人がいるというのを改めて感じた一作。戸籍を変えてでも人生を立て直したい。そういった人には底知れぬ苦しみがあるのを痛感しました。当事者じゃなくてもその家族にも言えること。
そういった社会派のメッセージを携えたドラマを妻夫木聡、安藤サクラ、窪田正孝など実力派キャストが固めています。特に窪田正孝は演技の幅の広さがかなり伺えました。
ただ妻夫木聡演じる城古の仲間である弁護士に小籔千豊はちょっと…。嫌いではありませんが、関西人から見るとどうしてもお笑い芸人としてのイメージが強すぎるし、作品のカラーと合っていない感じがありました。暗い中でのちょっとした笑いという役割かもしれませんが、個人的には違和感がありましたね。
それでも全体的には見応えのある作品だったと思います。暗めの作風ながらラストは切なくもあるし希望もある。不思議な余韻を残す作品でした。
