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ある男のUMAのレビュー・感想・評価

ある男(2022年製作の映画)
4.0
2024年25本目

役者さんが皆さん良かった。普通に見える役をさせると妻夫木聡は良いし、暗い影がある役は窪田正孝が似合うし、安藤サクラの映画にハズレなし。
あんまり注目してないけど日本アカデミー賞を総なめしてる感じなのね。

誰かの人生で偽らないといけないのは自分のせいなのか、周りの偏見だったりのせいなのか。

私が人生の経歴をさらけ出せるのは自分のお陰ではなく環境や周りに恵まれていたからという部分が大きい。

俗に言う親ガチャで大ハズレを引けば人生は苦しい。もちろん本人の努力次第、自己責任はあると思うが、それだけで片付けられない部分は沢山ある。

正直な話、親が死刑囚の人物と積極的に関わりたいかと言うと、関わりたくない。本人は何も悪くないのは分かるけど、ほとんどの人は危うい可能性があるものに近づきたくない。

そんな色んなことを考えさせる映画だった。

登場人物の気持ちを推察して言語化してみる。
城戸は在日で嫌な思いを幼少期からしてきたと考えられる。彼は努力して幸せな家庭や現在の地位を築いて来た。けれど谷口大輔の名前を変える生き方や考え方には共感でき羨望さえある。妻は不倫をしており、事件を通して自分の人生は何なのかと考えるきっかけになった。けれど自分が築いた現在は壊したくない。試しに、いくつか他人の人生を名乗ることで気が楽になった。
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