過去とは何か?名前とは何か?戸籍とは何か?自分とは何か?というアイデンテティのお話。
序盤から、安藤サクラの醸し出す空気に引き込まれた。
そして柄本明の不気味な迫力よ…夢に出そう…。
全体的に一昔前の邦画らしく、BGM少なめで、仄暗く感傷的にじめっと進んでいく感じ。
この空気感、昔から、個人的にはあまり好きではないのだけど…淡々とリアリティを持って描かれていたと思う。
日本人の描く日本と、外国人の描く日本って、全然違うよなぁ。
どっちが本当とも言えないけど。
ただ、最後のシーンはなかなかよかった。
ルネマグリットを用いたのは、とても、らしい選択だなぁと思う。
ただ気になった点として…妻夫木が子供を怒鳴ったシーンがあったけど、あれは普通に子供が悪いと思う。
怒鳴らなくてもいいけど、ちゃんと謝らせないと。
あそこでなぁなぁに甘やかしちゃう感じとか、夫が悩んでるのに仕事を家庭に持ち込むなって平然と切り付ける妻とか、その後の流れとか…心の通じ合ってない家族ごっこって感じがすごくした。
世の中にはどれくらい不協和音を奏でる家族があるんだろう?
それに比べて、多くの問題と不幸と悲しみを抱えつつも、お互いを信頼しあって助け合える安藤サクラの家族は頼もしい。
大切なのは何か?と言うことなんだろうなぁ。