水

香川1区の水のレビュー・感想・評価

香川1区(2021年製作の映画)
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近くで支え続ける人たちの語る小川像が、愛と尊敬と祈りに溢れていて、だからこそ小川は本気でい続けることができるんだろうなと思った。人の話を聞くことができる人の声は必ず届くということを証明してくれてありがとう。



対立候補がいかに壁としてたちはだかっているかということを、前作ではその地盤の強さと票数差で示すにとどめていたところを、今回は相手陣営にも取材をしたり演説を記録におさめていたことで今回ようやく理解できた。初回取材で『なぜ君』をみもせずに「キャッチーでいいじゃないですか」などと悠長なことを言っているのを見て、ああ平井氏はまったく小川のことなど眼中にもないんだなと思った。それほどまでの力の差がたしかにあったんだなと。しかし決戦が近づくにつれて焦り出す相手陣営が「映画を使ってPRしている(道も橋もつくらずに)」という一点で批判する姿に、人は追い詰められると愚かな部分を隠していられないということを目の当たりにした。

姉貴分辻元氏は「弱い」と言いながら笑うが、田﨑氏に反論するときの小川の発言「本気ですからね」はとても強かった。本当に本気なんだろう。

有楽町の広場で小川が「次の方どうぞ」と言うラストシーンも大変素晴らしかった。小川さんはこれからもずっと人の声を聞き続けてくれるはずだという、大島監督からのメッセージだと解釈した。泣きすぎてこめかみが痛い。
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