このレビューはネタバレを含みます
妻を殺した復讐のために向かう男の話かと思いきや、共犯者だったお話。ALSの安楽死と幼児性愛者の殺人が噛み合ってしまった。表に出ている人間性と裏側の事実とのギャップを知っている、ということの面白さだった。
もっともよかったのは伴奏。
要所要所の伴奏に引き込まれる。
卓球の音でつくるエンディングや原田を追う娘のシーンのドラムスが印象的。
ALSの妻は明らかに最後、殺してではなく、助けてという表情だった。どうしたら良かったのか?
部屋の汚らしさ、抱えきれないものから、まともだったはずの人が冷たさ、相手にされない悔しさにより境界を超えてしまう、そしてその境界がまた別の人へと繰り返されていく。
介護、難病、家庭環境、警察ありそうだけど、よくよく練り込まれている。