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さがすのmaikoのネタバレレビュー・内容・結末

さがす(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

圧巻でした。まさに拍手。
最近の映画といえば
(あー…はいはいわかるよーこよあとこうなってさー…。うん!そう。それでいいんだよ。)
と言うものばかりでこんなに心躍る作品に出会えて感激です。
ALSは非常に心身ともに滅入る病です。それでも生きようとかそうゆうことを言わずにそばにいてあげる旦那さんの優しさに心打たれました。本当に好きだからこその決断だったと思います。誰も悪くないが殺人鬼のナナシはもう役に入り込んでいて圧巻でした。「最後は笑顔でしたよ。」そう。どれだけの皮肉があの一瞬に込められていたのでしょうか。幸せに死んだんだとおそらく旦那さんも思っていなかったしそう思いたかったから力になったとだと思いました。無論お金が1番。まんまと洗脳したナナシは徐々に旦那さんを駒のように扱いまさにサイコパスでした。本当に最後は信じていたのでしょうか。結局殺すつもりだったと私は思いました。それに薄々感ずいていたことでしょう。まだ反撃ができたはずなのに。
「本当に死にたいなんてやつはいなかった。」
そのセリフにはきっと「私だって死にたくないんだ」って言われたかったのだと思いました。それが余計興奮させるのかは定かではありませんが。お前が狂っているように俺も狂っているんだと自分に言い聞かせているようでした。
ナナシには一貫した猟奇殺人の姿がかいま見えとても心地よかったです。よく映画で殺人鬼を描く際、あれ?ここつじつまあわないな?という点がこの作品には全くもって感じられませんでした。
死体を見ての自慰行為、殺人の方法がベルトで首を絞める、バラバラに切り刻みアイスボックスに入れる、一種の作品。とてもスカッとしました。それでこそサイコパスだと。
娘さんはきっとナナシからズボンを奪った時点で気づいていたのです。お父さんが共犯であると。それでも信じたくてカマをかけたのでしょう。レジの奥のTwitter情報。あまりにも出来すぎています。
最後の卓球の場面はちょっと笑いました。あれ?玉がcgくさいぞ…。と。またおっぱい見せてよというところでくすくすと笑い声が聞こえてコメディ要素があるの意味がわかりました。シリアスとコメディがきっちり別れていて見ていて清々しかった。
娘さん役、そのボーイフレンド役、かなり今後期待したい。思春期特有のむず痒い感じがとても可愛かった。


謎なのは最後の卓球のシーン、なぜ2回戦目は玉がなかったのでしょう。出所するまではお預けということなのでしょうか。
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