デヒ

さがすのデヒのネタバレレビュー・内容・結末

さがす(2022年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

連続殺人犯の山内の特徴的な殺害手口とその痕跡。死にたがる人々にsnsを活用して近付いた後、ベルトで首を絞めて殺害、男女問わず死んだ人に白いニーソックスをはかせ、その姿を見ながら自慰する。殺害の動機は「苦しむ人間を救済しようと」。
主人公の原田には中学生の娘とルー·ゲーリック病を患っている妻がいる。妻は卓球選手だったが、現在は身体障害者である。毎日苦しみながら死にたがる妻を安らかに殺してくれた山内。まともな職場なしに暮らしていた原田は山内から同業を持ちかけられる。

私の個人的な感想は… ストーリーが流れるような感じがした。メッセージって何かな。一番近い人も犯人になれる? 家族のためにしたことが、むしろ自分の家族を駄目にする?
最後の場面を見ると、後者が当たるような気もするが、それも薄い。
本作は「失踪」というキーワードを技術的なものに見せるのではなく、人間に対する探求を通じて見せられている。「罪の意識」は見当たらない、「殺し」というのは殺害というより救いの道だと信じる、自分をまるで神様だと思っているような山内。間違った道であることを知っていながら、お金を見ると一瞬忘れてしまう主人公。 殺しとは明らかに罪ということを知っている娘が客観化させる。
全体的に引きとロングテイクが多いため、顔面アップで感情移入を誘導するというよりは、客観的に観ることができる映画である。そして台詞が説明的であると感じられなかった。 映画を観ながら演技と美術が素晴らしいと思った。家の飾り物、そして原田と娘と山内の演技も。
映画は原田と山内、山内と娘、そして娘と原田の心理戦で構成されている。その心理戦を「卓球」にたとえて表現したのが印象的だった。
映画は、かなりの笑えるような場面があった。館内の他の観客たちも結構笑ってた。ところで、自慰をして精液を見せるとか、靴下ペティッシュ、女性の裸体などは山内がサイコパスであることを示すために入れた場面だったのかな?娘の胸を見せるのもそうだし、私はコメディー要素とは思えなかった。うーん、なぜだろうかと思われた。

少し気楽ではない場面はあったが、さまざまな考え方の余地を与えた映画。

何だろう。本作は本当に期待をたくさんしたぐらいに、残念な気持ちも多く残る作品だった。
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