じょうパン

さがすのじょうパンのレビュー・感想・評価

さがす(2022年製作の映画)
3.8
前から気になっていて、1回だけ予告を観て鑑賞しました。予告を観て「お父さん犯人じゃね?」と思ったまま鑑賞していくと、全部ではないですがお父さんが犯人なのはちょっとあっていたので、お父さんが意図的に犯行している部分はそこまで衝撃的ではなかったです。
あとは作中全体の雰囲気がシリアスで良かったです。

◻️脚本
ざっくり分けると前半は娘の視点で謎が散りばめられて、後半は父親の視点でその謎の伏線を回収していくので観ていて飽きない構成でした。細かく分けると娘、犯人、父の三幕構成になっていてそれぞれ何かを探しているというタイトルの意味が上手く脚本に現れているなと思いました。
山内とお父さんが犯行をしていく中で、山内が「結局死にたい人なんていないんだよ」と言っていて、ほとんどの人が死ぬことに対して怖がっているシーンを観て、やっぱり個人的にSNSや日常で死にたいとか言うのはやめて欲しいなと強く思いました。生きたくても生きれない人だっているのに、死にたいとか一人ぼっちやったらいいかもしれない、けど家族とかもいるわけやから死んだら余計迷惑かかるのにと思ってしまう。何か死にたいくらい嫌なことがあるならそれから逃げたらいいのにと自殺のニュースを観て毎回思います。
でも今回の作品は体が不自由になって死にたい人が描かれていて、これに関しては生きるのも死なすのも正直どっちも正解なのかなと思いましたが、やはり娘の悲しむ姿を見ると死なすのはあまり良くないのかなと思いました。
ラスト2人で卓球をしていてパトカーのサイレンが鳴った時に娘が「父ちゃん迎えに来たで笑」と関西が舞台なのできちんと関西人の会話をしていて、この場面でこのセリフは真面目な話にもなるし、笑いの話にもなるので見事だなと思いました。また警察があまり協力してくれないのがなんかリアルで良かったです。
結末は分かりませんが、娘の性格と娘が泣いているのをみておそらく警察に突き出したのではないなと考えました。

ツッコミどころ
・女の先生が優しいのか優しくないのかどっちにして欲しかったなと思いました。
・聖マリアのお婆さんは別に普通の施設の人でも良かったのになんであんな格好した人をわざわざ連れてきたのか

謎だった所
・なぜ父親は山内をハンマーで殴り出したのか?もう人を殺す手助けをするのは耐えられないから?
・ラストの父親と娘のSNSでのやり取りは、娘は父親だと知っていて連絡したのか気になりました。

◻️映像
最初の娘がスーパーに行く時に監視カメラを使ってカットを変えるのは面白かったです。
あとは前半部分の映像のカットが繋がりが悪いと言うか寄りからの大分LSになっていたりと少し観づらかったです。
またラストの卓球はおそらくCGだと思いますが、明らか球の挙動がおかしかったのでもうちょっとどうにかして欲しかったなと思いました。正直、あれくらいのラリーは実際にやって欲しかったなと思いました。

◻️まとめ
思っていたよりも考えさせれる映画でした。
ただ予告を観てしまったせいか、展開が予想できたので予告を観たことに後悔しました。
なのでグロいのが大丈夫で予告を観ていない人にオススメしたいなと思いました。

2024 17本目
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