しょうもない金額の万引きして取り押さえられた父親（佐藤二郎）を迎えに行く娘楓（伊東蒼）、釈放されて空腹で路上に座り込みクチャクチャ音を立ててパン齧る情けないダメ親父のファーストシーンから引き込まれる。そして謎の失踪、父探しに奔走する楓が飯場で出逢う父の名を騙って働く男（清水尋也）…。不穏で不気味な空気が充満する画面、この主役3人の存在感が凄いが中でも佐藤二郎が渾身の出来です。社会問題にもなっているS N S を使った自殺願望幇助殺人、人助けと言いながら有料コンテンツで金を取る快楽殺人鬼と繋がっていくダメ親父がグツグツあぶくを吹いて煮え立っていくように描かれる。身体不自由で自殺した楓の母親、3百万円出すから殺して欲しいと言うムクドリと名乗る車椅子女、1人暮らしのエロビデオ蒐集家爺さんetc生きる希望持てない人々には忍び寄る魔の手から逃れようがなかったのか。父と楓の卓球場での玉なしラリー無言ラリー（球有りラリーから球無しラリーに）は親子の絆として印象的ラストシーンでした。
