雪山で息子が遭難したという報せを聞いたミルチャ。
慌てて現地に向かい、救助隊に対し苛立ちを覚えつつ、現状を変えるため自身が参加したり、金を使って私設の救助隊を拵える。
決して雪山でのアクションを見せるものではなく、父親の視点のみで語られる。
金で何でも解決してきた男だが、それが通じない大自然となると話は違う。
つまり見せたいのは自然には無力であるという当たり前の認識。
だがそれをミルチャは実感できない。
敵わないと分かっているのに何とかしろという焦燥感が痛いほどに感じられる。
自分の息子だったらというセリフは都合2回出てくるのだが、それが何とも皮肉な後味を残す。
ミルチャに共感は難しいだろうが、こういう事態になった時の1つの形としては理解できる。