このレビューはネタバレを含みます
広い範囲で言えば移民のお話。
ウィンドラッシュ事件という実際にイギリスで起きた事件を元に制作されており、1973年以前に西インド方面から政府公認で労働力としてやってきた移民の人たちが新たに制定された法律によって自身の法的にイギリス国民であると認められる証明をしなくてはならなくなってしまったってお話らしい。たぶん。
移民問題って言うとまさに衰退国家である日本も向き合わなくてはならない問題だなぁって思って視聴したのだけれども、これは明確にイギリス政府の失態であって、わたしが不安に思う移民のお話とは全く別の、何の落ち度もなく仕事をし、子を成し、納税している一般的な市民に対しての不当な迫害行為のお話だった。
ある日突然やってきて、様々な書類を要求してはまだ足りないと身分の証明を求める。
何度も勾留されてはまた戻る繰り返しに裁判を起こすけれども、勝訴した所で安定はしない。
ウィンドラッシュ事件と呼ばれるのは、70年前にその名前の船で”ようこそ故郷へ”と迎え入れたイギリス政府が、新たな法を制定する数年前にその際の記録を全て不要として破棄した上で彼らに在留資格を問うと言う、なんとも馬鹿らしい顛末によるものらしいけれど、2012年から5年間の間に850人以上が不当に拘束され、補償を受けられたのは僅か数人という非常に一方的なものであった事が書かれて終わる。
本作の主人公であった黒人男性は幸いにも補償を受けられ、パスポートを得て故郷の母へ再会する事が出来たけれど、国外退去させられそのまま亡くなった人や仕事を失ったまま人生を否定され放置された人も沢山いただろう事も分かる。
不法に入国し不法就労している人たちには、正直なところすぐにでも国外退去已む無しと思うけれどその反面、一方的な決め付けでその人の人生をどうこうして良いものではないなとも思う。
気のせいじゃなければ、[ ブリティッシュ・ゴッドタレント ]の左端に居る人出てない…？
この人ってニュースキャスターだったのかな、既視感しかないけどあの人で合ってるんかなー。
