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幻滅のAPlaceInTheSunのレビュー・感想・評価

幻滅(2021年製作の映画)
4.0
『幻滅』鑑賞
2023 .04.27 @MOVIXあまがさき

■■あらすじ■■
19世紀フランスの文豪オノレ・ド・バルザックの小説「幻滅 メディア戦記」を、「偉大なるマルグリット」のグザビエ・ジャノリ監督が映画化。

19世紀前半。フランスでは恐怖政治が終焉を迎え、宮廷貴族たちが自由と享楽的な生活を謳歌していた。詩人としての成功を夢見る田舎町の純朴な青年リュシアンは、貴族の人妻ルイーズとパリへ駆け落ちするが、世間知らずで無作法な彼は社交界で笑いものにされてしまう。生活のため新聞記者の仕事に就いた彼は、金のために魂を売る同僚たちに影響され、当初の目的を忘れて虚飾と快楽にまみれた世界へと堕落していく。

「Summer of 85」のバンジャマン・ボワザンが主演を務め、「アマンダと僕」のバンサン・ラコスト、監督としても活躍するグザビエ・ドラン、「ヒア アフター」のセシル・ドゥ・フランスが共演。2021年・第78回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。2022年・第47回セザール賞で作品賞を含む7部門に輝いた。 (映画.comより)
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時代劇という事もあってか、映画の作り古典的。モノローグが物語りを誘導する。
セットも美術模衣装も見事に19世紀フランスを再現していて古き良きヨーロッパ映画を見ている歓びに浸る。

書評にしろ、劇評にしろ、提灯記事書いたり、こき下ろしたりする事で興行収入を操作してペンの力で権力化するメディア。
田舎から大都市フランスにやってくる詩人志望の主人公は、金も無いのにまずは高価な洋服で身を固め社交界デビューとか。自己プロデュース、ブランディングが大事らしい。(詩人としての才能はある筈なのに。)
この辺りはカルチャーに関わる人に限らず現代人でもするような仕草。
19世紀バルザックの原作を描きながら、《今》を照射する。

文学は《ペンとインクと紙》が織りなすイリュージョン。
瞬く間に昇り詰め、狂騒と共にあっという間に転がり落ちるフランス版ギャッツビー。ロストイリュージョン。

それにしても、グザヴィエ・ドランめちゃかっこいい。
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