メキシコのミシェル・フランコ監督作。
ロンドンからアカプルコに休暇に来ているニール・ベネット(ティム・ロス)と、妹のアリス・ベネット(シャルロット・ゲンズブール)と彼女の息子と娘。4人は豪華なホテルに滞在し、まったりと時間を過ごしている。
アリスに母が入院したという電話があり、4人は急遽荷物をまとめ空港へ向かうが、その車の中で母が亡くなったとの連絡を受けアリスは取り乱す。
空港に着くと、ニールはパスポートをホテルに忘れてきたようだと3人を先に帰国させ、再びタクシーで戻るが、滞在していたホテルではなく、運転手にお任せで小さなホテルにチェックイン。
アリスからの電話には、パスポートがホテルで見つからず領事館に連絡してみるなどと応えているが、一向に探す気配もなく、ビーチでだらだらとビールを飲んだり。どうやら、ニールは帰国する気はない様子。パスポートの件は嘘なのだろうか。
やがて、ニールは毎晩ビールを買っていた店のベレニスという地元の若い女性と付き合いはじめてしまう。。。
ベネット家が養豚事業で成功しているという設定と、豚が登場する意味深なシーンもユニーク。
Sundown(日没)は、ニールに関するメタファーなのだろうと思いますが、時折インサートされる眩しい太陽光が、その意味を深めているような。
最初から最後まで、様々なことが起こるんですが、ティム・ロスはほとんど表情も態度も変わらず虚無感漂わせ、後半でその理由らしきものは明らかになるものの、あの件はどういうことなのか...など、ラストまで不可解・不条理が漂い続ける不思議な読後感の作品でした。