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ロスト・ドーターのMOEのレビュー・感想・評価

ロスト・ドーター(2021年製作の映画)
3.5
【照りつく太陽、凍てつく心】
ヨーロッパ映画そのものの空気感に包まれた作品を生み出したのは、「あなたがやってくれるなら映画化してもいい。」と原作者に言わしめた実力派女優マギーお姉ちゃん。
作品全体の雰囲気づくりは、コールマンやジェシー・バックリーの演技の素晴らしさが加わり、とても巧いと感じた。

しかし、世界中で色んな賞に絡んでいるので、ちょっと期待し過ぎてしまった感が拭えない。
肝心のストーリーが、チグハグしている。
起承転結のバランスがイマイチで、映画として面白いかと訊かれると、正直”つまらない” 。良くも悪くも間延びしていて、これといったハイライトに欠けている。
メタファに包まれてそうなドールの扱いも、汲みきれなかった。
一生埋まることのない3年間の空白が、人生の絶頂である、という一抹の虚無感はレダの全身から伝わってきたけども。

個人的には、『パワーオブザドッグ』を推してしまうなぁ。
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