EDDIE

ロスト・ドーターのEDDIEのレビュー・感想・評価

ロスト・ドーター(2021年製作の映画)
4.2
母親の育児の苦しみをリアルに描写するシーンの連続が心を抉る。OコールマンとJバックリー、Dジョンソンの3女優の好演や男性との対比を表現する演出、小道具の活用など。これがマギー・ジレンホール監督デビューとは些か信じられない。

〈ポイント〉
・3人のメインキャスト女優たちの演技の素晴らしさたるや
・オリヴィア・コールマンとジェシー・バックリーが同一人物として重なって見える凄み
・子育ての苦悩がわかりやすく描かれるリアルさ

〈雑感〉
とてつもない映画を観てしまった…という感覚。
なんとマギー・ジレンホールの監督デビュー作。しかもヴェネツィア国際映画祭で脚本賞を受賞。
なんという才能に溢れた映画一家なのだろう。

さて、本作は主人公のレダという女性がバカンスでギリシャに訪れる話。
彼女は子育てに対して強い後悔の念を持っていました。
そこで出会う1人の女性ニーナ。彼女は子育てに奔走している若い女性。
本作の映画館のシーンは女性と男性の生きる上での大きな違いがすごくわかりやすく描かれていました。本当に女性は生きづらくて苦労してる、一方で男性はお気楽だなと。
レダ自身の過去の出来事も回想として描かれるのですが、その時の彼女の悲壮感が強く表れていました。
子育ては子供の成長を見守れるとても楽しいものだ…と、特に子育てをしたことない人はそんな理想を抱いていることもあろうかと思います。
ただ、本作で描かれるように、誰もが同じような想いで子育てをしているわけではないのだというのがよくわかります。

面白いかどうかというよりも、凄い映画を観たなと思わせられました。
女性だけでなく、これは男性にこそ観てほしい作品かもしれません。
壮絶です。

〈キャスト〉
レダ・カルーソ(オリヴィア・コールマン)
若い頃のレダ(ジェシー・バックリー)
ニーナ(ダコタ・ジョンソン)
ハーディ教授(ピーター・サースガード)
ライル(エド・ハリス)
カリー(ダグマーラ・ドミンスク)

※2022年新作映画25本目
※2022年自宅鑑賞33本目
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