これは好み激分かれですな笑
そもそもカンピオン監督の作品な時点で、絶対にいわゆる娯楽映画ではないわけですよ。そこはある程度構えて観ないと、正当な評価は下せないかなと。
彼女の作品が未見な人は「ピアノレッスン」は見たほうがいいです。これがハマらなかったら今作も厳しいのかなと。
今作の秀逸な点は何と言っても
"掴めない匂い"の漂わせ方。
キャラクターの過去や感情が分かりそうで分からない。匂いはするんだけど、何の料理までかは分からないという、深み。
人間って基本そうっすよね。分からないんですよ、みんな。
フィルが尊敬してやまない人物との関係が徐々に匂ってくる台詞や性的な描写の哀愁力○
その人にしか見えないと思っていた世界があの人にも見えていたと知って動き出す映画ならではのストーリーテリングも良かった。
他の人物たちも、何かを抱えて、何かに苦しんでいるという小さなドラマ構築の設計力○
アンチマッチョやジェンダー的なテーマが走る作品なのは間違いないけど、決してそこありきのあからさまじゃない作風も好み
好きだなぁ、、