松本雅利

あのことの松本雅利のレビュー・感想・評価

あのこと(2021年製作の映画)
4.0
 この映画は60年代のフランスが舞台だが、同じ若い女性が堕胎に思い悩み行動するストーリーでも、現代を舞台にした去年かな、見た映画で「17歳の瞳に映る世界」の方が自分には、リアルなニューヨークの大人社会が映し出されて、その大波の前に翻弄される少女がよく描かれた。この方がインパクトあったかな。最近も福音派の強い地区で中絶禁止とかが、米国の保守を中心に逆行しているが、中絶を認めないのは、女性に選択肢を与えない。これは、どんな理屈をつけても納得はできない。
 この映画に戻る。この映画のあと、フランスは急速に法制度を変え、また、社会もシングルマザーが普通に社会に受け入れられていった。違法ということはなくなった。一方、日本は中絶は違法ではないが、どこか、女性を産む道具とみなし、家で家事と育児やってろという無言のフレームワークがあって、すっきりしないフェミニズム社会の様だなと改めて思った。
松本雅利

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