あのことのchaooonのレビュー・感想・評価

法律で中絶が禁止されていた1960年代フランス🇫🇷
望まぬ妊娠をした大学生のアンヌが、自らが願う未来をつかむために、たった一人で戦う壮絶な12週間を描く。

原作は自身の実話を基に書き上げたアニー・エルノー作の「事件」🩸

これはもう絶句…😭
痛い…観てるだけで痛すぎる壮絶な少女の体験😱
終盤の中絶シーンが焼き付いてしまって、感想がそれでいっぱいになりそうだけど、今からたった60年前に中絶が違法だったという事実がまた衝撃…。

医者はもちろん処置してくれないどころか、女性としての立場を受け入れろっていう当たり前のような男尊女卑的態度にゾッとする…。
社会的に禁止されてるから友達にも誰にも相談できない孤独。
そんな中、学業や自信の夢を諦めず、手段を講じるアンヌの強さに圧倒される🥺
いざ覚悟を決めて命懸けで行動し成功したとしも、運が悪ければ逮捕という博打なのにも震える😱

妊娠した経緯が、「仕方なく」でも「強要されて」というわけでもなく、単に自信の欲望の結果というのが映画的にはややモヤる部分ではあるが、まあ普通に考えてこの年頃ならあり得ることですよね。
リスクを考えず浅はかだったというのはあるだろうけど。
友人が後にアンヌに漏らす「妊娠しなかったのはただラッキーだっただけ」という言葉は、リスクがあろうがなかろうが結局現代でも普遍的な若者の浅はかさだと思ったわ。
ただ女性の孕む産むの性質上仕方のないことではあるけど、無責任な快楽を男女間で等しく興じても、追う重みは女性だけにのし掛かるというのが改めて不公平を感じてしまう部分よね。