実在の大富豪で実業家のハワード・ヒューズ。映画『地獄の天使』の製作や、女優キャサリン・ヘプバーンとの恋、飛行機の世界最速記録など、彼の波乱に富んだ半生を描く。
マーティン・スコセッシとレオナルド・ディカプリオのタッグ!CGをふんだんに使用したVFXや、当時のハリウッドを再現した華やかな衣装や美術。当時のカラー映像を再現した淡い色調。169分という長尺ながら全然だれることなく見続けられる。最高。
またレオナルド・ディカプリオやケイト・ブランシェットらの抜群の演技力も凄まじく、特にキャサリン・ヘプバーンを演じたケイト・ブランシェットは、声の高さや仕草、口調など本人そっくりで、まるで彼女が画面の中で蘇ったかのような興奮があった。
とてつもないテンポの良さで当時のハリウッドやアメリカンドリームの様子を魅せてく「楽しい」前半と、強迫性障害となって追い込まれていくヒューズに迫る、映画としての「面白さ」を重視した後半。
基本的にあえて内面的な部分を描かずに、彼がどんな事をしたかだけをなぞっていくので、否定的な意見が多いのもわかるが、個人的に有名人の伝記映画はこれくらい一歩引いて描いてくれた方が客観視できるので頼もしかった。
娯楽映画、もしくはよくある伝記映画の感じを期待して観ると拍子抜けするかもしれないけど、自分はたまらなく好き。これこそある種の神話だと思う。