しちれゆ

土を喰らう十二ヵ月のしちれゆのレビュー・感想・評価

土を喰らう十二ヵ月(2022年製作の映画)
3.7
沢田研二、毎日映画コンクール男優主演賞受賞(主演男優賞とは言わないらしい)。
原作は『土を喰う日々: わが精進十二ヵ月』という水上勉のエッセイで映画の主人公もツトム。沢田研二がほぼ出ずっぱりで土井善晴氏の指導の元、自ら煮炊きシーンもこなしているというのが驚き。私はEテレの市井の人々の暮らしを撮(うつ)した系が好きなのだが、本作の前半はまんまEテレ。後半は色々と人間臭くなっていきストーリーも動き始める。

いろはにほへと ちりぬるを
わかよたれそ  つねならむ
うゐのおくやま けふこえて
あさきゆめみし ゑひもせすん

と歌う沢田研二が(勝手に)心に染みる。
昭和の大スターだった彼がこの歌を歌ったときその胸中にはどんな想いが去来したのだろうか(実は若き日の彼をほぼ知らないのだが)。
そして台所仕事をしながら『鉄腕アトム』(鼻歌)を歌うのもまた「そうは言っても食べないと!生きないと!」と言っているかのよう。24時間ジメッとしてはいられないよね。このシーンがとても良かった♡

音楽は『エルピス』『花束みたいな恋をした』などの大友良英が担当。
檀ふみ分からなかったー。
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