きのはる

土を喰らう十二ヵ月のきのはるのレビュー・感想・評価

土を喰らう十二ヵ月(2022年製作の映画)
4.5
最初ヒーリング映画だと思ってぼんやり見てたらうっかり人生について考えさせられた。土と緑のにおいが漂ってくるような映画だった。子供の頃は遠足やなんやらで山の中を歩くこともあったが、大人になってからは全くなくなってしまった。白菜の漬物とかゼンマイとか全然食わんけど、不思議と懐かしい気持ちになった。そんな経験したことないのに「これぞ日本」的な幻想懐古を呼び起こされてなんだか泣きそうになる。
ともかく自然が多く、美しい映画だった。夜に辿り着くまでのわずかな時間、群青色に染まる書斎がきれいだった。
あんな風に生きている人たちはTwitterもInstagramもやらないのだろう。寿司ペロも不倫も戦争も関係ないところでただひたすら生きている。羨ましいような気がするが、あんな風に生きるのは働き者でなければならない。コーヒーも自分で淹れない怠け者には無理だ。コンビニ万歳。
きのはる

きのはる