北アイルランド、ベルファストで、家族と楽しく過ごしていた少年バディ。
しかしある時、プロテスタントの過激派が、カトリック教徒を街から追放するために暴れ始める。
厳戒態勢となったベルファストで、バディと家族の居場所はあるのか・・・。
ケネス・ブラナーの幼少期の記憶をもとに描かれた自伝的作品。
作風として好き嫌いが分かれそうな感じでしょうか。
少々ケネス・ブラナーの個人的な想いが強すぎる気はしましたが、私的にはこれはこれで嫌いじゃなかったです。
白黒の世界の中で、劇中映される映画は色が付いていたり、少年バディの憧れが感じ取れる演出がいい。
バディと家族の関係性、街の人々との繋がりなどの描写、特に祖父母とのやり取りが面白かった。
キアラン・ハインズ、ジュディ・デンチの巧さが光りますね。
作中描かれている時代以降、ベルファストを含む北アイルランドは約30年に及ぶ紛争地域となるわけですが、物語の冒頭に描かれる家族的な街の雰囲気が、あっという間に暴力に支配され破壊される。
今まさに起こっている問題ともリンクする状況の中で、少年がどう思い、感じたのか？
悲劇として表現せずに、ところどころシニカルな切り取り方をしながらも、全体的に明るく演出していたところが、ケネス・ブラナーの巧さなのかなぁと思いました。
