白波

ベルファストの白波のレビュー・感想・評価

ベルファスト(2021年製作の映画)
4.7
劇場鑑賞
分断を目の当たりにした、ケネス・ブラナーの幼少期を描いた作品。
ブラナー自信はもちろん、キャストも北アイルランドに縁のある役者ばかり。音楽もヴァン・モリソン(ベルファスト出身)を起用するなど、本作にとてもこだわりを持って製作しているのがみて取れました。
そして主人公バディ役のジュード・ヒル、これが映画デビューだと言うから驚きです。
なんと自然で表情が豊かなのでしょうか?
モノクロで描かれた舞台は厳しい状況下なのですが、子どもの視点がベースなのでどこか気楽な空気で描かれ方です。
また時々差し込まれるカラーの演出も、その節目節目に彩りを添えるようで良かったですね。
そして皆悲しみに暮れてばかりじゃないのが実に嬉しい。
北アイルランド紛争その渦中にいながらも、バディやその家族達はどこか小さな幸せを持って生き生きとしてるように見えるんですよ。
皆、確かな絆や温もりを感じるんですね。
在りし日の故郷に想いを馳せた、素晴らしい人生への讃歌でした。
白波

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