豚アーニャ

ベルファストの豚アーニャのレビュー・感想・評価

ベルファスト(2021年製作の映画)
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家族と友達と遊び、映画や劇を楽しむ。充実した少年バディが住む田舎街ベルファストと、そこで起きる宗教紛争の話。

監督のドキュメントということ以外、ほとんど前情報無しで鑑賞。

好きだなと思ったシーンがいくつかある。
序盤の小さい住宅街で子供達が遊びまわり、大人は見守り、みんなが友達みたいなところ。家族とのシーン以外、大体街の人たちがたくさん入ってるところ。愛情深い台詞が多いところ。家族や兄弟、または1人でも劇や映画を本気で楽しんで笑ってるところ。暖かいシーンが多かった。この街で過ごした良い思い出を撮ったのかなと思いつつ、白黒で作られてるってことは悲しい思い出なのかもとも思えた。最後の台詞から察するに紛争で街はそれまでと壊れてしまったんだろうな。劇と映画だけは色付いてたのも唯一救いだった思い出だったとしたら悲しい。結婚するんだ!と言ってた子も白黒だった。

私が団地で育ってた時期を思い出した。
玄関を開けたらほとんど知り合い。友達と遊ぶことしかしてない日々を送る。けど、徐々に団地を離れる人が増え、自分達も引っ越した。あらゆる事を覚えてないで話題の私でも覚えてる。すごく寂しかった。
後で聞いたら親同士でいざこざがあったり立ち退きが迫ってたりと、子供にはわからない「何か」が起きてた。そんな過去を思い出せた。

構図が凄く綺麗。ほとんど写真みたいな映し方をしていたり、子供でもわかるぐらいの対立みたいな描き方をしていたり。
あと劇の帰りにばあちゃんと帰るバスのシーンがグッときた。綺麗だった。ラストのアップもそう。人をアップで撮る事が多かったような気がする

行って。それでいいの。振り向かないで。愛してるわ。
という台詞はニューシネマパラダイスを思い出した。
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