なかなか面白いと思ったが、ここまで評価が高い映画かというと、そうでもないような。
しかしそれは、私が故郷からあまり遠く離れたことがないからなのかもしれない。
この映画は、遠くにある故郷へのノスタルジー。なぜ故郷を捨てねばならなかったのか。自分にとっての故郷とはなんだったのか。
ネタバレ
ベルファストで起こった事件や、そこでの恋や友情、家族と過ごした楽しい子供時代、人生について教えてくれた祖父母、そして映画館でワクワクしながら見た映画たちがとても美しく描かれていた。そして暴力は、まるで彼の心にそのまま記憶されているかのように時折スローモーションになりながら、トラウマ的に。
人はなぜ争うのか、なぜベルファストを離れなければならないのか、それはまだバディにはわからない。母親は犯罪を嫌い、プロテスタントのバディが「カトリックのキャサリンと将来結婚できるか」と父親に尋ねた時、父親はバディに「どんな宗教でも互いを大切に思えば大丈夫」と教えたのだから、なおさらだ。
でもそんな家族の元で育つからこそ大人になる頃には、ベルファストをなぜ去らねばならなかったかがきっとわかるのだと信じられる。
追記
この映画の中でいろいろな当時の映画が取り上げられていたが、「真昼の決闘」はワンシーンや音楽まで取り上げられていたので、単に子供時代に見た映画というだけでなく、この映画においてもなんらかの意味があるのだろう。見てみたいと思う。