JTKの映画メモ

世界で一番美しい少年のJTKの映画メモのレビュー・感想・評価

世界で一番美しい少年(2021年製作の映画)
2.0
このドキュメンタリーが誰の意志によって作られたか知らんが、ビョルン・アンドルセンを『「ベニスに死す」によって運命を狂わされた悲劇の美少年』にしたがってるし、肉親さえそう思いたがってる。
わしはそう思わない。
この人は、「ベニスに死す」があろうがなかろうが、多かれ少なかれ同じような人生を歩んでいたと思う。
先に母の変死あり。
それが決定的な敗因。
本当に気の毒だと思う。
でも「ベニスに死す」のせいだけにはしてほしくない。

ビョルンが直接的な性被害にあってたことを告白するようなドキュメンタリーだと思って観るのを躊躇していたが、そうでなくて少なからずホッとした。
ヴィスコンティのせいではなく個人の資質の問題だからだ。

美少年やヴィジュアル系には独特の文化を持つ日本だが、日本から人気に火がついたバンドQueenやJapanはそれに感謝しとるからな。

しかし、劇中に引用されてた「ベニスに死す」のフィルムの状態がやたら綺麗だった。リマスターされとるのかな。是非観てみたい。