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「世界で一番美しい少年」に投稿された感想・評価

MALPASO

MALPASOの感想・評価

3.7
映画『世界で一番美しい少年』

映画が始まって延々誰も喋らない名作『ベニスに死す』。音になるまで変な映画としか思ってなかった。当時15歳で見出され、美少年のアイコンとなったビョン・アンドレセン。
ルキノ・ヴィスコンティ監督によって名もなき少年が"世界で一番美しい少年"として世界で一大センセーションを巻き起こした。

映画『ミッドサマー』で老人となったビョンの姿に驚いたばかり。とはいえ、どんな人でも老いて姿は変わって行くので、その驚きは僕の勝手な主観。しかし、彼の半生のほうがその何倍も驚きだった!

ビョルンを見出したヴィスコンティ監督はアラン・ドロンとも噂のあったバイセクシャル。美少年、美青年を描くことに長けていた。なんとあのココ・シャネルとも仲良く、ルノワールと一緒に仕事をしたことが映画監督へのきっかけという”歴史上の人物”!そして、ヨーロッパのジャニーさん!

ヴィスコンティが理想の少年を探すオーディションの様子。メイキングの映像と貴重な記録が観れる。あの酒井政利さんがプロデュースし日本語のシングルも出したり、池田理代子が『ベルサイユのバラ』のオスカルのモデルにした。日本でも熱狂ぶりが面白い。まだ外国人が珍しい時代。この頃、『小さな恋のメロディ』のマーク・レスターも人気だったが、やはり長いブロンドの少年。

同性愛の男性をはじめ大人たちに翻弄された不遇の半生。ビョルン自らがこれまで関わった人々に会いに行くという展開が面白い!

かつて天才子役と呼ばれた人たちが次々と破滅の道を歩んだ。今では先人の例を学習したのか、少なくなったように感じる。一体なにが彼らの運命を狂った方向に導いたのか?その一例としても興味深かった。

おもしろかった!
凄く寂しい感情がずっとある。
もちろん美しさに魅了されて、目が離せなくなってる自分もいるのだけれど、当時
美しさを大人達に消費され、抵抗など出来るはずがないことの惨さは計り知れない。
悲しくてやりきれない気持ちのまま終わったなというのが正直な感想。
どう吸収してリリースすればいいのか難しい。
但し、映像としてはものすごく魅力的であって、影があるからこそのどうしようもなく惹きつけられてしまう何かがそこにはある、

彼の寂しそうな瞳や後ろ姿、物憂げな横顔ですら、全てが本物にしては凄すぎるというか、芝居をしている俳優かのよう。
ドキュメントにしては、こんなに人に曝け出すことにどんな気持ちになっていたんだろうか?ご本人は
ルキノ・ヴィスコンティ監督に見出されて、「ベニスに死す」に出演したビョルン・アンドレセン。
初公開の際、「世界で一番美しい少年」と監督が喧伝し、その後、爆発的な人気を博した。
特に日本で。
今も昔も、西洋のイケメンに目がない日本人。
映画の出演で彼の人生は狂ったが、当時来日し、散々大人たちに振り回されて、さらに狂ってしまった。
もう、ほんと同じ日本人として恥ずかしく思う。

美少年っぷりはスクリーンテストから。
ビョルン・アンドレセン、このとき15歳。
直後に50年後の現在の姿を見せる。
浮浪者のような風貌。
虫が湧いた汚部屋。
近隣からクレーム。
大家さんに目を付けられる前に掃除する…。

本人を思い出の地やモノに向き合わせて、自ら語らせるというTVメディア的な手法。
心の再生の旅?
いやいや、違う。
見た目は、プロモビデオのように綺麗に取り繕っているが、再び人生を狂わされている。
50年前に監督のおもちゃになって苦悩したのに、本作でも監督のおもちゃになって人生を搾取されている…。
今になって、また日本へわざわざ連れて行く必要あったのか?
余計なイメージカットまで付き合わされている始末。
ドキュメンタリーを作る姿勢としてはかなり低俗。
本人の了承の上とは言え、彼が不憫でならない。
作り手のエゴの塊のような作品だった。

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