マサミチ

ワース 命の値段のマサミチのレビュー・感想・評価

ワース 命の値段(2019年製作の映画)
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アメリカ同時多発テロを描いた作品の中でも遺族への補償金を算出した人物を中心に描いた映画。

日本でも時たまニュースで見る企業が起こした事件事故の補償を巡る遺族との加熱したやり取りは目にするが、それが犠牲者7000人以上、しかもアメリカ全体がヒステリックになったあの9・11だもの。

こんなのは素人目に見てたら全犠牲者に一律で同額を払えばいいのではないの?と簡単に思ってしまうが、そんな事は単純では無く、社会的地位や年収によって思いっきり差別されて"命の値段"がはじき出されてゆくのだ。そりゃ遺族は怒るよ。

そんな端々に描かれてゆく一筋縄ではいかない事情を抱えた人々のドラマ。

遺族からすれば怒りのぶつけ所が必要なわけで、そんな損な役回りを自ら買って出たマイケル・キートン演じるケンはバカじゃなかろうか?と思うが、時のアメリカ大統領のジョージ・W・ブッシュが狂っていたからね。根拠無く大量破壊兵器があると何故かイラクに攻め込んだ馬鹿さ加減。

そんな狂ったアメリカの中でケンはまともな人物として描かれている。

それだけに1本の映画の流れとしては主人公にエキセントリックさがあまり無くて退屈さを覚えたのも確か。

映画として描くよりもNHKスペシャル辺りで見ても十分なテーマかな。
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