サキ

ワース 命の値段のサキのネタバレレビュー・内容・結末

ワース 命の値段(2019年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

いい映画でした。
最初の語りから、ああきっと9.11の話だなとピンときたものの、実際の映像とか見るとやっぱりキツい。そしてその話を聞くともっとキツい。いかにその現場ではヒーローだった人たちも、実生活では汚い部分があったりとか。でもそれが生きてたってことだから。それぞれの話があるってことが。そこに数字をつけていくってものすごく残酷なことだと思った。でもそれはやっぱり一つの区切りでしかなくて。続いていくから。だけどその人たちが今も、傷を負いながら生きているんだよなあと思うと、もちろん終わらないし忘れないんだけど、区切りとしては大事なことだよなあと思ったりもした。

そこで、数字だけで見られちゃうとあんまりしんどいから、話を聞いてくれてあなた(みんな)は特別だよって裁量を持ってやってくれることが、誠実さや敬意だし、それが小さいけど確かに希望になっていくんだなあと思った。

「みんなのためにやろう」と思ったことがなぜかみんなのためになってない、みたいなことって時々あるよなあ。主人公は絶対いい人なのに、途中悪い人にも見えて、それがすごく面白かった。集団訴訟を起こそうとしていた友人の人は逆で、後半からなんだか胡散臭く見えたり。でも人間らしく妬んでみせたり。そういう人としてのうねりが見えたのが面白かった。
サキ

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