ペコ

ワース 命の値段のペコのレビュー・感想・評価

ワース 命の値段(2019年製作の映画)
3.8
9.11の被害者と遺族に補償金を分配する仕事を任された弁護士たちの苦悩を描いた作品。政府には集団訴訟を防ぐ目的がある。遺族側は亡くなった家族の命を金額で比べられたくないという気持ちがある。そんな両者の狭間で奔走するケンら弁護士たち。たしかに自分が遺族なら、上流階級だから、偉い仕事に就いているから、年収が高いからで、他人と比べられて命の値段をつけて欲しくないと思うのは当然だ。難しい立場にいながら、被害者それぞれに数式で値段をつけることが間違いであり、遺族たちは悲しみや心の叫びを知ってほしかったのだと気付いたとき、ケンたちが被害者遺族に寄り添い続けようした姿に感動しました。テロの被害者7000人それぞれに愛する人、ドラマ、人生がある。同性カップル、消防士の兄と弟…。自分がケンなら絶対に途中で挫折してしまいそうだが、真摯に取り組めばいつか必ず相手に気持ちが伝わるのだと感じました。ストーリー的に裏側をもっと観たかったなぁというところもありますが、観終わったあと素直にケンたちに「お疲れさまでした」と言いたくなりました。途方もない件数を処理したケンたちの偉業を忘れません。
ペコ

ペコ