MasterYu

帰らない日曜日のMasterYuのレビュー・感想・評価

帰らない日曜日(2021年製作の映画)
2.7
1924年3月30日、イギリス中のメイドが里帰りを許される「Mothering Sunday(母の日)」。
ニヴン家に仕える孤児院育ちのジェーンは帰る家がなかったが、数年逢瀬を重ねるシェリンガム家の跡継ぎポールからの連絡で、彼の両親もメイドも出払った邸宅で会うことに。
幼馴染との結婚を控えるポールは、ジェーンと愛し合った後、前祝いの昼食会に向かう。
1人残されたジェーンは、しばらく邸宅内を探索した後、ニヴン家に戻るのだが、誰もいないはずの邸宅の前にいた主人から、予期せぬことを告げられ・・・。

フライヤーに「秘密の恋に陶酔する、眩いほどに美しいラブストーリー」とありましたが、私的にはそんな印象は受けず。

カズオ・イシグロが原作を絶賛しているそうですが、映画の構成、展開は原作通りなんですかね?

メイド時代のジェーン、小説を書き始めた頃のジェーン、そして晩年のジェーン、時系列がガチャガチャしていて、それらの場面転換が効果的ではない感じ。

アーティスティックな演出が観られるわけでもなく、画的に惹かれるところが少ないのも、文学作品を題材にしているにしては残念なところかも。

主人公ジェーンが体験したあの1日が、彼女の生き方にどう影響したのか。その人生を深掘りするのは難しかったのか、どちらかと言うと劇中出てくる三家族の不幸話の方にウエイトがいってしまっていたような気がします。
コリン・ファース、オリヴィア・コールマン、流石の存在感も、特に彼らじゃなくても良かったような。
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