帰らない日曜日の作品情報・感想・評価

「帰らない日曜日」に投稿された感想・評価

gale

galeの感想・評価

-
失うものなど何もなかった一人のメイドが、人生で初めての”喪失”を味わう物語だった。
”失うものが何もないこと”は強みかもしれないけれど、でも、人生の中に彩を与え、何かへとたきつけられる気持ちは、何か大事なものを失うことでしか得られないのかもしれない。孤独が”孤独”であると知るためには、”孤独で無い事”も知らなきゃわからない。彼女の人生を縦横無尽にかけめぐるこの映画のストーリーテリングは、そんなとこに落ち着くのかなと感じた。

R15の規制の仕方、変わったんか…?
あと、ジョシュ・オコナーが真っすぐに笑ってくれるだけでこんなに心穏やかになるもんなんだね…可愛かった…
美しくも切ない禁断の恋を高尚な雰囲気を漂わせて文学的に描いた作品。

映像も音楽もすごく綺麗で好きな人は好きなんだろうなと。僕は合わなかったです、何を大袈裟なとか思っちゃいました。

キャストこんなに豪華にする必要あった?と疑問に思った。
pherim

pherimの感想・評価

4.2
孤児のメイドと、名家の子息との最後の逢瀬。

それは年に一度許される里帰りの日であり、のち作家となる生涯を決定づける一日だった。

G.スウィフトの原作を、『バハールの涙』のエヴァ・ユッソンが緻密な映像へ編みあげる。無人の豪邸を全裸で彷徨いV.ウルフと出逢う描写の豊潤。


『バハールの涙』https://twitter.com/pherim/status/1084289785571639296

キャスティングを中心に追記予定。
徹頭徹尾メロドラマだけど監督は『バハールの涙』のエヴァ・ウッソン。やはり戦争と女性が描かれる。

そして撮影時22歳のオデッサ・ヤングが無理なく40代まで演じ圧巻だ。

美しい撮影と美術、攻めた編集と音楽により、観客の心のひだに寄り添うメロドラマの醍醐味を堪能した。
牛猫

牛猫の感想・評価

3.0
名家の跡継ぎとの秘密の恋に身も心も捧げる孤児のメイドが、たった一日のある出来事により、すべてを変えてしまう話。

試写会にて。

1920年代イギリスの自然豊かな田舎町の情景が美しい。その中で際立つ上流階級の窮屈さと、愛する者を失うことの喪失感。
主人公のジェーンは本能のままに生きている感じがしてとても魅力的。抑圧されたメイドの仕事から1日だけでも解放されて、誰もいない広い屋敷の中を裸で歩き回る。
台所に置いてあった大きなパイを頬張ってゲップするところとか、小さい頃に珍しく一人で留守番することになった時の自由な感じを思い出した。

そんな彼女と恋する貴族のポールはどこか掴みどころがないというか、生まれながらにして恵まれた身分がありながらも、どこか達観したような何か諦めたような佇まいを感じるのは、第一次世界大戦後という時代背景からなのかな。
3人分の資産を持っているというセリフも、一見するとただの金持ち自慢にしか聞こえないけど、意味がわかると悲しくて虚しい。

オリヴィアコールマン演じる女将さんが主人公にかけた「生まれた時に全て奪われていた。失うものがないのは強み。」というセリフが重くて悲しくて力強い。

全体的にセリフも少なめで、派手な映画ではないけれど、この時代のどうにもし難い身分を超えた恋愛と美しい情景が心に沁みる作品だった。
失った物は失ったまま生きていくしかない。でも、そこから生まれる物があるのなら、なんとなくだが救われる気がする。
ただのラブストーリーと言い切ってしまうには勿体無い映画だった。
yossy

yossyの感想・評価

3.5
ジェーンの回想が多く描かれる物語で、描写はそのまま彼女の思い出の形とも言えて…。
徹底的に美化された「残酷な運命の日」は、光に満ちているのに背徳的で、どこか"文学的"。物書きとしての素養を感じさせる部分であり、孤児として生まれた彼女が人生に悲嘆しないための術だったのかもしれないと思わせました。

「この身ひとつ これから手に入れてゆくだけ」と、いつか読んだ冒険譚のように人生の海原へと出てゆく。
出会った善き人を心に刻み、大切なものをひとつまたひとつと手に入れながら、決定的な再びの喪失が彼女をタイプライターに向かわせる。
喜怒哀楽の哀を決してマイナスにはしない。知的に道を切り開く主人公が魅力的でした。

このレビューはネタバレを含みます

試写会で鑑賞。

あらすじを読んだ時に全然想像もしなかった
結末。

孤児院出のジェーンは隣人の名家のポールと秘密の恋をする。とある日曜日に忘れられない出来事が起きる。

終始いつもタバコを吸ってヘラヘラしてるポールはいわゆるボンクラな感じだった。
一途にも取れなかったし、秘密の恋。そもそもポールはジェーンを愛してたのか。
ジェーンは愛してたと思うが。

ポールの絶望ははかりしれなかったんだろうね。
名家に生まれ、優秀な兄は亡くなり、その兄の婚約者と結婚しなければならない。

自分だけなぜ残ったのか
自分はこれでいいのか
ずっと自問自答してたのかなと。

この作品には色んな人を失った人がたくさんでていて、その人達の表情がすごくいい。
目を見ているようで見てなくて、うつろな感じ。

演技はものすごくよかったんだけど3点の理由は、作品に共感できなかったから。



なにも失うものがない人が幸運だとは思わないから。
第一次世界大戦後、あるお屋敷でメイドをしていた女性の話。最初ところどころに挟まれる現在の映像がわからなくて???となったけれど、後半だんだん繋がっていき、ラストはそう来るのか!と、密かに感動してしまった。

主演のオデッサ・ヤングとジョシュ・オコナーがびっくりする位(実際びっくりしたけど)体を張ってたが、不思議といやらしくなかったのはきっと女性監督だからかな。とてもキレイに撮られていた。

脇に徹したコリン・ファースとオリヴィア・コールマン、特にオリヴィア・コールマンが中盤あたりで主人公に言うセリフにはグッときます。
オリヴィア・コールマンとジョシュ・オコナーはドラマ「クラウン」で親子だったな。
ぬん

ぬんの感想・評価

3.7
詩的で美しいけど残酷な日の記憶の回想と追想。けして美談だけではない日々。
主人公の感覚や繊細な描写に惹き付けられたり、対比構図が随所にあるのも面白い。ウルフを会話のキーに使ったり、今の時代が反映されたシーンもこの時代に作られた映画という点で嫌いじゃなかった。
>|

あなたにおすすめの記事