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帰らない日曜日のfernのネタバレレビュー・内容・結末

帰らない日曜日(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

始まりの時からお屋敷の中に漂う悲しみに満ちた虚無的な雰囲気が気になりました。
いくら豪華なお屋敷に住もうが
華やかな生活をしようが
戦争で子供たちを失った後の心の空洞は埋められない、、
(今のウクライナ侵攻をつい思いますね。
ウクライナでもロシアでも尊く若い命がたくさん失われています。)

でも、実はそれが主題ではありません。

誕生した時から全てを失っているジェーン
もう失う物は無かったはずなのに
それでもなお失った事によって小説を書き始める。

簡単に言えば、
孤児でありメイドをしていたジェーンが
奥様にかけられた一言や
偶然にもらったタイプライター
そして恋人を失ったことをきっかけに
著名な作家になる
と言うお話です。

映画が始まってからかなりの間
何について描かれているのかがよく分からないのですが
色彩や映像などすべてが一幅の絵のように美しいのと先が読めない展開に
見続ける事が出来ます。

ポールを失った事で既にキズついているのに
ラストの方では作家になってからの恋人も失くしてしまう。
私的にそれがどうにも気に入りませんでした。
あそこまで何もかも奪われないといけなかったんでしょうか。

それをバネにしてジェーンはますます作家としては輝きを増すのですが
あそこまで奪われてしまうジェーンの立場になって考えてしまって
辛くなりました。
作家になってからの恋人、素敵な人だったのに。

ジェーンは芳醇な人生を生きた、と思えるには
まだまだ修行が足りません。

それか、見る人を納得させられる映像が作れなかったとも思えます。

なので消化不良を起こしています。

途中までが良かっただけに残念。

お屋敷のインテリア、小物、植物などが皆美しかった。

コリン・ファースは、何でも演じられるんだな。
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