まちこ

ちょっと思い出しただけのまちこのネタバレレビュー・内容・結末

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

東京国際映画祭観客賞受賞作品上映回で観賞。

池松壮亮のどこまでもやさしい口調がとても印象的だった。

115分という上映時間以上にとても長く感じた。
これは決して悪い意味ではなく、6年という時間を自分も追体験しているような感覚になった。
しかしあくまで''ちょっと思い出しただけ''であり、その瞬間に一気に惹き込まれた。

暗い場面でもくすりと笑える要素があり、全体的にコメディの比率が高かった。
他人の恋愛なんて所詮は笑い話に過ぎないという感じがとても良かった。
長回しのシリアスな演技も良いが、帰り道のダンスシーンや水族館でのシーンがとても好きだ。

役者たちの演技の自然さが凄かった。
恐らく台本にかなり余白を残しているのではないかなと思う。
だから、照生と葉というより、本当に伊藤沙莉と池松壮亮が恋愛をしているように見えた。
プライベートの2人を知らないから想像でしかないが……。

本作は20代の恋愛模様とそれを回顧するという主旨であるため、観客のターゲットは40代くらいまでの比較的若めな層であると考える。
そのため、恐らく年齢層が高めである映画祭において、観客賞を獲ったことに驚いた。

実際、隣に座っていた5.60代くらいのおばさまは劇場内で率先して笑い、そして途中で少し寝ていた。

やはり、ジム・ジャームッシュのオマージュという点において非常に高く評価されたのだろうか。『ナイト・オン・ザ・プラネット』を観てみよう。
まちこ

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