｢ちょっと思い出しただけ｣のなんでもない日々。
世界にはもっと優先して照らすべきものがあるかもだけど、
それでも、水族館のシロクマやウィノラ・ライダー、高円寺の路地裏が目撃していた二人の"瞬間"には、永遠にスポットを当ててあげたかった。
逆行する｢7月26日｣の定点観測。
空白から滲み出る喪失感が小津安二郎を彷彿させる。
迂回ばかりだったけど、二人はいつもタクシーみたく何処かへ向かっていた。
暗がりの新宿に降りるくらいなら、迂回どころか行き先すら決めず、夜にしがみついて、永遠にドライブしていたい、なんて思ってしまった。
ナイト・オン・ザ・プラネット。
花束ならぬサボテンみたいな恋。
｢枯れない愛｣が花言葉らしい。
そっか、ラジオとともに陽を浴びなきゃ、そりゃあ。
再生ボタンか巻き戻しボタン、物語を進めるにはどっちを押せばいいんだっけ。
つい早送りしたくなるけど、たまには左矢印も悪くない。
