この監督は前作があまりピンと来なかったのでやや不安だったけど、今回も期待ほどはという感じ。期待はすごいさせるのよね。俳優のチョイスが良いのか。
劇場の入り口でポストカードをもらって、写真だけ見て、ジム・ジャームッシュの『ナイト・オン・ザ・プラネット』みたいだなと思ったら、もろにナイト・オン・ザ・プラネットリスペクト映画だった。この映画で初めて知ったけど、英語では『NIGHT ON EARTH』なんですね。なんでプラネットにしたんだ...見ている間ちょっと混乱した。
なので、会話にはおそらくこだわっていて、全く話が噛み合っていないけんかとかバーでの会話とかも結構良かったけど１番良かったのが、伊藤沙莉が合コンの最中に抜け出して店の近くでニューヨークの屋敷演じる男に火を借りて口説かれてるシーン。初めて会った日の会話として妙にリアリティがあったし、当事者だったとしてもちょっと楽しいだろうなっていう。その後の展開にちょっとげんなりしたけど、最後まで見てみれば、それもまた良かったと思ったし、ちょっと思い出しただけ、ちょっと思い出しただけだよ、ということを胸に抱えながら生きていくことは全然悪くないと思う。そんな未練のある元恋人はいないのだが。
最近きちんとマスクをしている作品が増えたな。未来に見たとき、ある種の普遍じゃない物語として機能すると思う。この時代に撮られた特殊性というか。（コロナの戦いに勝つのに100年かかったら話は別だけど）TVドラマでは見たことあるけど、映画では初めて観たな。やっとポストパンデミックの映画を観られているということか。
