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ちょっと思い出しただけのすのネタバレレビュー・内容・結末

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

愛なんて逃げ道だから


終わった思い出がふとしたことをきっかけに蘇り、終わったことだとわかりながらその愛しさに泣きたくなる。ちょっと思い出しただけ。また明日から、今の人生を歩む。
エモーショナルが過ぎるでしょ。

仲睦まじい仕草も喧嘩もすごく自然で、このカップルが実在したかのよう。思わず微笑んでしまう程会話のセンスも良く、誰もが羨むカップルだった。
そんなカップルも今は別々の人生を歩んでいて、そしてそんなカップルはこの世にごまんといる。
かつて恋人がいた全ての人が胸に来るであろう映画。

池松壮亮とあんなに幸せそうだった伊藤紗里は、結局合コン中ナンパされて一夜を共にした男と結婚する。それで良かったのかと思ってしまったが、描かれていないだけで伊藤紗里と屋敷の間にも愛おしい時間も喧嘩もあって、どっちが良いなんて外野がどうこう思うのはお門違いも甚だしいんだろう。今を正解にして生きていくしかない。終わった時間に浸るのは日が登るまでだけでいい。

普段映画館で恋愛邦画は観ないけど、予告を見たときこの曲でエンドロールに浸りたいと思って観た。大正解だった。

#記念すべき600marks
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