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Bloodsuckers - A Marxist Vampire Comedy(英題)
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『Bloodsuckers - A Marxist Vampire Comedy(英題)』に投稿された感想・評価

[もし資本主義者が本当に吸血鬼だったら] 50点

2021年ベルリン映画祭エンカウンターズ部門選出作品。マルクスは『資本論』の"労働日"の章で、資本を"生きた労働の吸収によってのみ、そして吸収するほどに活気づく死んだ労働"と説いた。出版から150年ほど経ち、"ならば本当に実業家を吸血鬼にしてみれば…?"という風変わりなコメディが誕生した。ときは1928年8月、バルト海を臨むリゾート地に降り立った亡命ロシア人貴族のリョーボシュカは地元の工場経営者オクタヴィアの屋敷に招待されるが、リョーボシュカは貴族ではなくただの労働者だった。しかも、セルゲイ・エイゼンシュテイン『十月』にトロツキー役で出演したせいで当局に目を付けられて亡命し、ハリウッドを目指す資金集めのために泥棒をしているというのだ。そんな過去を聴いてもオクタヴィアはリョーボシュカを貴賓として滞在させ、彼女の"個人アシスタント"であるヤコブはイライラが止まらない。

舞台となるのは1928年だが、これみよがしに真っ赤なコーラ缶が置かれ、最新型バイクにまたがるオクタヴィアは真っ白なスニーカーを履き、ユーロの紙幣を手渡され、街には近代的な建築が溢れている。まるでクリスティアン・ペッツォルト『未来を乗り換えた男』のような時代錯誤感の中に、現在へと連なる思想の歴史や、コロナと関連するような寓意(科学軽視、中国嫌悪)が含まれている。しかし、正直なところ物語は完全な出オチとして最初の5分くらいで失速してしまい、残りの123分は小滑りを続けるボケが延々と展開されるだけだ。さっさと渡米したいのに渡航許可証が発行されず、演技ができる証拠としてのフィルムを撮ろうとオクタヴィアの元に留まるリョーボシュカと、オクタヴィアが大好きすぎて色々考えすぎるヤコブの挿話は物語のフォーカスを邪魔し続け、定まらない小物や背景の時代錯誤感も相まって、映画全体から散漫な印象を受ける。というか比喩を具現化しただけで話は同じなので、特に吸血鬼にした理由もよく分からなかった。

リョーボシュカのための映画に出演するオクタヴィアは中国人の老人演じる吸血鬼の"被害者"であるが、実のところ"吸血鬼"そのものである、という入り組んだ搾取構造に、ふとアレクサンダー・クルーゲ『Orphea』を思い出した。オクタヴィア役のリリト・シュタンゲンベルクは同作でも主演を務めていた(内容はさっぱり思い出せないが)。

ちなみに、本作品でリョーボシュカを演じるアレクサンドル・コベリゼは同じ年のベルリン映画祭コンペ部門に新作『What Do We See When We Look at the Sky?』が選出されている。