それいんないならちょうだいくん

僕とオトウトのそれいんないならちょうだいくんのレビュー・感想・評価

僕とオトウト(2020年製作の映画)
3.0
知的障がい当事者のお兄さんが、おとうとのことをもっと知りたいという想いから作られたドキュメンタリー映画。

障がい当事者とそのご家族という視点ももちろんあるが、もっと普遍的な家族という関係性をとらえた作品だと感じた。
自分も家族との関係性やコミュニケーションついて内省するきっかけになった。

トークショーについて
映画の後に監督と関係者の方々のトークショーがあった。

トークショーで監督が語られた「ドキュメンタリー映画なので、当たり前ですけどぼくらは、これからも家族をやり続けていく」という言葉が印象的だった。

マイノリティを題材にした作品の届け方についても話が及び、こういう作品は当事者とその周辺にしか届かない。もっとその向こう側に届けていかねば。という話も面白かった。
今回でいうとぼくはその周辺の人にあたるのかな。

この件について、ぼくの中では「異文化と掛け合わせる」という答えがあります。
事実「僕とオトウトも障がいを扱った作品」×「現役大学院生監督作品」という異文化の掛け合わせを行なっているため、障がいを扱った作品だから観るという若者層の獲得に成功している様子。
逆にいうとぼくは障がいをテーマにした作品だから鑑賞して「若者にミニシアターやインディムービーを届けたい」という活動をしている大学生達のことを知った。

こんなふうにコツコツ異文化と混ざって広がっていくのが道だと個人的に思う。

障がい理解促進についても周辺から外へという課題がありますが、ぼくはエンタメと食と掛け合わせて、引き続きコツコツやっていく。
カルチャーを広めるという視点にも触れられた楽しい映画館体験となった。