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アルピニストのcookieのネタバレレビュー・内容・結末

アルピニスト(2021年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

書きかけのままレビューを放置してしまっていたけれど、鑑賞から2ヶ月以上を経て漸くアップ💦

冒頭から驚かされる🫣
目も眩むような、しかも凍っている断崖絶壁を、僅かな窪みにアイスアックス(指の代わりとなる鎌のような道具)の先を引っ掛けて登っていく姿が!🏔️
アイスクライミングというのだそうだ。さらにびっくりするのが、たった一人で命綱なしのフリーソロスタイル!⚠️

滝の流れがそのまま凍った氷柱を登るシーンなんて、裏側と崖との間が空洞になっていて、崩れてそのままストンと落ちてしまわないか、観ている方がハラハラしてしまうけれど、落ち着き払って着々と進んでいく🧗‍♂️

「フリーソロ」のアレックス・オノルド(本作で生存確認)の場合は、同じ行程を何度も何度も繰り返し、その動きを徹底的に身体に叩き込んで納得できてから挑戦していて、危険を回避する努力を怠らないことが成功の鍵だったけれど、マーク・アンドレ・ルクレールのアプローチは全く違う。
普段のクライミングの積み重ねで技術を磨くのみ。身体で覚えた感覚で、危険な挑戦にも一発勝負で臨むのだから驚き!😱
編集によるものが大きいとしても、落ち着き払った無駄のないスムーズな動きは不思議と危うさを感じさせない。
(観ている方は十分怖い😨💦)

本作を知らなければ無謀な命知らずとしか思えないけれど、最も彼らしい生き生きとした姿を見せるクライミングは、彼にとって生きることと同じ意味を持つのだということを、違和感なく納得させる描き方だった🌟
元々生活には恵まれていて現在は社会貢献もしているアレックス・オノルドとは「クライミング」の位置付けが違っていた🏔️

ADHDで生きづらさを感じるシーンが多かったであろうマークにとって、クライミングは自身のものの見方の狭さや感謝の気持ちに気づかせてくれたという。

忘れてはならないのが母親の存在。学校に馴染めないマークをホームスクーリングで支えた一番の理解者。子供の持つ「可能性」を育むことに重きを置いていた💫
「皆と同じように」を望みがちだけれど、むしろ苦しい選択であっても彼を肯定しサポートし続ける姿勢に頭が下がる思いだった。

クランクアップ後に起きた出来事で、予定されていなかった映像が挿入されることになる。

名声に関心がなく登攀記録を公表することもない(そもそもSNSをやっていない)、知る人ぞ知る存在である彼の生き様が、ドキュメンタリーとなって本作に収められたことに運命を感じる🎥

清々しさを覚えるのは、きっとマークは後悔していないだろうと思えるからかな...

満天の星がとても美しかった✨✨✨

スコアをつけるのも気が引けて、満点💯
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