yadokari

アウシュヴィッツの生還者のyadokariのネタバレレビュー・内容・結末

アウシュヴィッツの生還者(2021年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

似たような映画というより同じ人物だと思うがポーランド映画で『アウシュヴィッツのチャンピオン』という映画があった。

それに比べるとアウシュヴィッツの過去と現在の生活(当時のアメリカの亡命生活)を描いていて、アウシュヴィッツそのものよりもその後の彼の人生にスポットを当てている。それがアメリカ映画ならではのトラウマとしてのアウシュヴィッツ体験も家族のために乗り越えていくという感動ストーリーに仕立て上げているのだった。

アウシュヴィッツのボクシング時代もそれ以降のボクシングも勝利者という描かれ方はしていない。むしろボクシングは青春時代に引き離された彼女を探す手立てとなるのだった。彼がそんな過酷な状況でも生きて行かねばならなかったのは、彼女の存在があるからこそだった。

ただ実際に結婚するのは違う女性だった。彼女はユダヤ人ではないが彼に理解を示した。それは彼女も戦争で恋人を失っていたからだ。だから彼が戦後もアウシュヴィッツの彼女を探すのも亡霊だと思っていたようである。

そんないろいろな展開があって、子供に厳しすぎる父親像とか彼が浮気をしているじゃないのかとか。そんな中でついに彼は元カノ(軽い言い方だがアウシュヴィッツの彼女だ)を見つけ出す。そして、会いに行くのだ。そこの作りは非常に上手いし、アメリカ映画だと思った。アウシュヴィッツさえも乗り越えられる。

一番感動するのは主人公を演じる役者の姿かもしれない。どんだけ減量したんだ!
yadokari

yadokari