ごんす

わたし達はおとなのごんすのレビュー・感想・評価

わたし達はおとな(2022年製作の映画)
4.1
大学生の優実は劇団サークル所属の直哉という彼氏がいるが、ある日優実は妊娠していることに気付く。
しかし直哉は自分の劇団を持ちたいという夢なのかノリなのか分からない将来の目標を持っている…


グリンピースの気持ちを考え許せないと思ったのは初めての映画体験だった。
幼い頃からピラフなどに添えられたグリンピースたちを好きだった自分としてはあんなクソ男に「おれ、ぜったいグリンピースは食べないから」と言われると…(この時の藤原季節の憎たらしい顔は優勝)

公開当時から藤原季節の役がクズやら最低といった評判を聞くことが多く心して鑑賞した。
自分としてはあと1年くらいは『佐々木、イン、マイマイン』や『空白』の彼のイメージを上書きしたくなかったのでショックだった。

直哉のなだめているようで抑圧する口調だったり自分のことを最低な奴とは思ってない所は見事だった。
おそらく「女の子に暴力振るう奴とかは最低、俺はそんな奴と違うもん」ぐらいで思考が止まったタイプのバカで改善、成長の兆しは映画を観る限りは難しそう。
元カノとのやり取りも「僕バカです」と観客にアピールしているのかと思うぐらいにバカで笑ってしまった。

男性の自分としてはこんないやな奴でも観たからにはセルフチェックしなければと考えてみる。
自覚がなく何か共通した所があるかもしれない、何故ならこういう男はいっぱいいると思うから。

この映画の男女を観て、もし若かりし頃に戻れるのであれば恋愛感情というものはある程度脳がバグっている状態かもしれないので信用しすぎてはダメだと伝えたい。

そして『ずっと独身でいるつもり?』という映画であまり面白くなさそうなエッセイで財を築き上げた本田まみ様が住んでいるマンションに本作では大学生の優実が住んでいるではないか!
というタレコミがあったので確認してみると…本当に住んでる!
しかも親の仕送りで!
最初は何で会話のやり取りはリアルなのに…とノイズになったけれど佐戸井けん太演じるお父さんが甘やかしてそうな気もしないでもない。
そして優実も「もっと安いとこでも良いけどここオシャレ」ぐらい言ってそうだなと思ってしまった。

優実の“恋愛で相手の為に何かしてあげている自分が好き”で、それに思っていたリアクションが返ってこなければ不満が蓄積されていくのは客観的に観るときつい。
だからと言って「俺、頼んでないよね?」とか言ってしまう直哉の顔はやはり最悪だった。
こういう映画なので直哉と優実も嫌な所が目立つ。

しかしそれとは別の問題として避妊具をつける、つけないは当人同士の問題としないで法律がもう少し介入していかないと駄目だと思う。

そういえば昔の自分だったら優実の友達グループも嫌だなーと思っていたかもしれないけど、自分が歳をとったのか彼女達に何か思う所があるのか嫌いにはなれなかった。

あとこの作品ゲボがしっかりゲボで良かったです!
エンディング素晴らしいけど音楽もう少し控えめの方が好みだったかも。
気を失いそうになる超邪悪なポスターも◎
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