東京国際映画祭にて。脚本を手掛けた城定秀夫氏と本作の監督である有川有果監督の登壇付きで鑑賞。話も交えながら記していく。
アザを持ったアイコが出会ったのは、彼女のアザを受け入れてくれる映画監督。作品にしたいだけでなく、彼女を受け入れてくれる人で…。容姿に偏見を持たれてしまう社会で出会った初恋の行方は…。
容姿に触れる為、映像化することに躊躇いを覚える会社も多かったそうだが、そこを柔らかく、しなる様に作り上げたのが印象的。少し届きにくい部分もあるが、心情の変化が二人を変えてゆく過程は、不思議と引き込まれる。
松井玲奈自身が大ファンと公言するこの作品で、彼女自身も映像化を売り込んでいたそう。そんな中、直井卓俊氏が有川有果監督の舞台を観たことが縁で、監督をオファー。脚本には城定秀夫氏を招いて作ることになったのだとか。柔らかくも何処かヒリヒリとする変化の予兆に、心もソワソワ。城定秀夫氏の脚本もあって、飛坂も絶妙な塩梅でキャラクターが構成されている。
そんな飛坂を演じたのは中島歩。二人とも彼は面白い役者と絶賛するほど、本作でも魅力的な存在として放っている。クズではあるが、クズすぎない…そんなバランスを感じさせる、アイコとの会話の数々は必見。そんなことを質問できて良かった。笑
振り返ってみると、長かった様にも思えるし、その中にいくつも濃いやり取りがあって、抱きしめたくなる。ちゃんと監督の作品であり、その中にも城定秀夫イズムが息づく。かなり興味深く楽しめた作品だった。