グラビティボルト

レイジング・ファイアのグラビティボルトのレビュー・感想・評価

レイジング・ファイア(2021年製作の映画)
3.7
香港アクションの玉手箱的な映画でありながら、マンの「ヒート」やトー「毒戦」の停止した車両を利用した銃撃戦のアップデートを試みている野心的で過激なアクション。
こういうのは理屈抜きに大好き。
しょっちゅう回想が挟まれる忙しい構成も、悪役の半分錯乱した人物造形を合わせてみると納得。
あと、彼の最期の瞬間にカメラが寄らずドニー・イェンが背を向けて離れるのが素晴らしい。
この仕草の連なりに過去の法廷での視線切り返しを回想することで二人の関係性が遥か過去で完結していたことがわかる。故にラストでドニー・イェンは振り向く必要がない。
奇しくも「呪術廻戦0」と対照的。