いはん

茶飲友達のいはんのレビュー・感想・評価

茶飲友達(2022年製作の映画)
3.8
そっか、このように物事って進んでしまうのか。刹那の幸せが垣間見れたような気がしたのに、歯車はどんどんズレ出していく。“正しく”なければ本当に幸せになれないんだよと、社会が嘲笑っているようだった。

自殺後のくだりが、正直よくわからなかった。分からないというか、理解ができないと言うべきか。みんなそういう人じゃなかったじゃんと、画面越しに考え続ける。わたしがマナに同化しすぎて夢を見過ぎでしまったのだろうか。貴方と出会わなきゃ良かったなんて、聞きたくなかった。様々なシーンで心が少しずつ抉られていたが、ここでは根こそぎとられたような気分になった。

差別、見下し合い、孤独が蔓延るどうしようもない世の中で、自分の心に空いた穴を埋めるため、知らない誰かの心に空いた穴をも知らぬ間に埋めていたマナ。何が正しくて、何が間違いなんて簡単に白黒つけれないことばかりのはずなのに、みんな自分だけが正しさを分かっているように振る舞う。そんな世界と正しくない方法で闘ってはみたものの、打ちひしがれた話、かな。
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