Jun

雨を告げる漂流団地のJunのレビュー・感想・評価

雨を告げる漂流団地(2022年製作の映画)
3.5
ノアの方舟の様に、大きな箱(団地)ごと海に流される子ども達の話し。
家族のあり方を、日本の一つの住居スタイル、団地とそれにまつわる人間関係を舟に例えて、流される表現が面白い。

現代核家族化している中で、高度経済成長期では団地が多く建設され、その中で一種のコミュニティが出来た。
それは大枠で一つの家族とも言えるかもしれない。
父親のいない主人公は、家族の形を団地で形成し、そこを拠り所とするが、時代の変化とともに取り壊しとなる。
そこで、大海の登場、さてどこが帰る世界となるのか。
主人公が子どもなところが良い。
もし老人だったら、帰ってこないかもわからない。
それだけ世界は変容しつつあるが、友達が、人と人との繋がりが今を生きる希望を表すラストシーン。
キャラクターの個性の組分けがはっきりしていて、持ち味が分かりやすくて好感。少し長いとの感じたけど、迫力があって楽しかったです。
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