このレビューはネタバレを含みます
A24xデンゼル・ワシントンxコーエン。
この組み合わせは観るしかない。
白黒の静謐な世界観と徹底した画作りのこだわりが、非の打ち所がない程丹精に仕立て上げられている。
ベテラン役者陣の群像劇も素晴らしくシェイクスピア独特の演劇調語り口も違和感は全く。
が、この綺麗にまとめ過ぎてる感が、本作の最大の物足りなさでもあった。
求めていたのは多分「違和感」や「異質なもの」
映画作りで魅了される、なんだかよくわからないショット、全くストーリーに無関係に見えて何故か記憶から離れないシーン、
みたいなものが皆無だった。
我儘な感想だけど、ストーリーは全く入ってこないのに、いつまでも頭から離れないゴダール映画の絵作り。完璧な作りにも関わらずあまり記憶には残らない本作。
その違いかなと。
現代にシェイクスピアを持ち込んで、どうぶち壊すのか？伝統をアップデートしないのなら、戯曲のままで良いと思う。
映画における「違和感」の作り方に、自分は魅了されてるのかも。
「違和感」を他に言い換えるとしたら、
実験性とクリエイティビティかな。
