マクベスの作品情報・感想・評価

「マクベス」に投稿された感想・評価

俺的コーエンベスト『バーバー』の白黒に『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』の撮影B・デルボネルをミックスする天才所業。さらに往年ベルイマンに加え、近年だとエガースやズビャギンツェフの影響も滲み出る清々しさ。
シニカル担当のイーサンとは違う、「冗談が通じない方」のジョエル味が凝固した眼福100分。新作マトリックスとも通流する、兄弟・姉妹監督特有の各々が持つベースの差異がフルに抽出された結果。見事!
原作ほぼそのままの映像化なので、戯曲気分を味わいたく(?)吹替で!
城の構造の異様さがたまらん。なにあの斜めの梁?通路が階段じゃなく坂で繋がってことなんてある?ひとつひとつのシーンの額縁としての"面"がどれも超良かった。
フランシス・マクドーマンドは序盤は可愛らしいし、狂っていく様は流石。
全体の不穏さを支える魔女(たち)・カラス・白い壁・光と影の演出などなど…がミニマルでまとまっている。
そして最後まで王冠に固執するマクベス。映画館で観たかったな〜
JUNPEI

JUNPEIの感想・評価

4.0
画作りの鬼。映画は光と影の芸術だと改めて気付かされる。素晴らしかった。
マヒロ

マヒロの感想・評価

4.0
2022年映画館初め。シェイクスピアの『マクベス』をジョエル・コーエン監督が映像化した作品。兄弟の片割れのイーサンは今回不参加とのこと。

『マクベス』と言えば、黒澤明が『蜘蛛巣城』の元ネタにしたということは知っていたけど、元の方は知らなかったので今作で初鑑賞。話の筋が『蜘蛛巣城』と同じで、オマージュとかじゃなくて本当にマクベスまんまだったんだなと驚いた。

コーエン兄弟の作品と言えば『バートン・フィンク』とか『ファーゴ』なんかのユーモアと冷徹さが同居した不思議な作風が印象深いけど、今作はあくまで『マクベス』の映画化として原作を忠実に再現しているようで、古めかしくて遠回しな台詞回しなども含め、良くも悪くも監督らしさはあまり感じられず。

ただ、好みかそうでないかと言われたら圧倒的好みで、全編モノクロで撮影された映像が良くて、徐々に平常心を失うマクベス(デンゼル・ワシントン)と夫人(フランシス・マクドーマンド)の心象を映し出したかのような禍々しくも美しい画面が素晴らしかった。予言を残す謎の老婆の登場シーンが特に良くて、真っ白な背景の中にボーッと浮かび上がる死神のような老婆のコントラストが脳裏にこびりつくようなインパクトがあった。
モノクロもそうだし、題材も含めてベルイマンの映画っぽさもあり、そこも好みのポイントかも。

前述の通り「コーエン作品らしさ」はあまり見受けられないので、そこを期待してしまうとちょっと違うが、純粋に映像作品としてはクオリティの高いもので、個人的には満足出来た。事前に『蜘蛛巣城』観ていて、演出や展開の違いとかを見比べられたのも良かったかも。

(2022.2)[1]
M

Mの感想・評価

5.0
果敢な一方、臆病でもある将軍マクベス
妻の策謀で、主君を暗殺し王位に就く。
しかし、秘密の罪のプレッシャーに押し潰されたマクベスは、狂気のあまり暴政を行い、貴族や王子らの復讐にあうというお話。
時間と国境を超えて、数々の名優に演じられるシェイクスピアの戯曲『マクベス』
台詞が文学的で美しいのは勿論のこと、
本作は、クラシックな装飾品とモダニズム建築のような現代的なお城など、新旧組み合わせた美術の演出によって、視覚をも潤す愉しみを与えられる。
モノクロームの写真を切り合わせたかのような美しい映像も、ブランニュー・マクベスといった雰囲気で小気味良い👑✨🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿
どど丼

どど丼の感想・評価

4.0
シェイクスピアの四代悲劇、名前だけ有名でお馴染み「マクベス」をこの時代にまんま映画化。

これは権力に縋るための悪に屈しきれない"善人"を描いた話だと思っていて、このレベルの人間ドラマが17世紀初頭に生まれていた事に改めて驚き。質素なセットで白黒映画、なのに、いやだからこそ一切無駄のない美しく洗練された映像に度肝を抜かれる。主演がデンゼル兄貴だったり人種が混在しているけど、それでも全く違和感なく古典が描ける事を証明した兄コーエン監督の功績に拍手。

これAppleTV+が買い付ける作品じゃないよな〜。いつも思うけど、身の丈にあった作品を買って欲しい(傲慢)。
いまコーエン兄弟の片割れによる映画化ときけば、現代版クライムドラマにアレンジ?などと思ったのだけれど、意外なほど「ガチ・マクベス」。

千年のあいだ忘れ去られた墓石のような冷たいモノクロに月明かりが滴り落ちて、わたしたちを古典戯曲の世界に引き摺り込む。
詩歌のような台詞は今もって色褪せることなく、欲望が狂気へ刻々と変態していく様をありありと語り、常に立ち込める黒い霧の中、独奏バイオリンの絹糸を引き絞るような悲鳴がばりばりと亀裂を入れる…

その様はおそろしいほど美しくも醜く、まさに「Fair is foul, and foul is fair」。

とはいえ原作との差異もいくつかあって、代表的なところでは領主ロスの役割に重みを持たせている点。

原作における他の複数の登場人物のロールが集約されていることに加え、もともとは「知っているのか雷電」的な、脇の状況解説系キャラに近い人物だったところに明確な意志と輪郭を与え、虎視眈々と暗躍する人物として生き生きと動かしている。

足されたラストシーンが彼の功績によって映え、野心・欲望の愚かな連鎖が強調される。ここはやはり現代の作品らしいエンタメ感覚というか、ストーリーテラーとしての職人的な巧さを見せる幕引きになっていると思う。

また、題材的にも演者の魅力が何より光るところで、デンゼル・ワシントン(久しぶりに拝見した気が)の重さもよかったけれど、やはりなんだかんだ熟女大戦争劇場だった。

レディ・マクベスを演じるフランシス・マクドーマンド、魔女を演じるキャスリン・ハンター、それぞれが放つ、人の道を「外しかけている者」「とうの昔に外れた者」の禍々しさ。瞬間最大風速的には星5つ付けてしまいそうになるくらいのパワーがあった。

シェイクスピア?今更?という印象の方からマクベスエアプ勢まで、大クセ系映画がお好きなら是非観ていただきたい…と思いつつ、劇場での限定上映期間は終わってしまって、現在(2022/1/18)Apple TV+での配信のみというところが難ではある。

わたしはこれ観たさにはじめて無料期間登録してみたのだけれど、俄には信じがたい使いにくさにしゅんとしている。魔女の鍋へ直投となりそうである。
「マクベス」を初めて鑑賞。オーソン・ウェルズ、黒澤明版「蜘蛛巣城」も観てみたい。
映画を芸術の域まで高めようと試みたジョエル・コーエン&フランシス・マクドーマンド夫妻共同制作作品。
物語自体よりも(物語も退屈せず楽しめた)美術や撮影、映像がとても美しかった。
draw

drawの感想・評価

3.8
AppleとA24共同製作。
◆シェイクスピアの"マクベス"をデンゼル・ワシントンとフランシス・マクドーマンドなど迎えコーエン兄が撮る!
【バキバキの絵が印象的】
正直シェイクスピアの戯曲など興味が無かったのだが、役者と監督に惹かれ見てしまった😳
マクベスを知らないが話は分かりやすい。
まるで舞台を見てるような台詞の言い回しと画面にキッチリはまる絵は、観ててとても良い刺激。
カラスの魔女?(女優兼演出家キャサリン・ハンター)が凄い印象的な演技で1番のインパクトあったなぁ。
予言は自分の中にあった野心そのものだったのだろうか。
ラストのシーンもとてもよい。
観て良かった😁
極めて演劇的な語り口ながらも、真正面から奥行きを生かしたシーンを多用し、背景に入るものを計算し、人間の微細な表情や動きの変化を捉えるカメラワークは、映画でしか、なし得ぬもので、死のリアリティにも驚いた。ほぼ正方形・白黒(縮小版DUNE感)の効果は微妙だったが、楽しめた。

今の時代に、定番中の定番を、金かけて映像化する意義はよく分からなかった(パンフ欲しい)けど、パートナーであり本作のプロデューサーである名優フランシス・マクドーマンドの新たな一面を引き出し、これまた名優デンゼル・ワシントンによる新たな、深みあるマクベス像を生み出せたのは間違いない。
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