「ジャッリカットゥ 牛の怒り」の監督によるインドの作品。「ジャッリカットゥ」は未見。
なんか「ミッドサマー」を新庄剛志が監督したらこうなりました、みたいな謎映画。
ジョイと呼ばれる指名手配犯を追う刑事二人組、アンソニーと部下のシャジバンは、ケララ州にある人里離れた村・トゥルリに向かい、そこで不思議な体験をする、というストーリー。
「シャンチー」で主人公シャンチーが向かった密林の奥に、妖艶なミシェル・ヨーではなく、代わりに太ったインドのオッサンたちが待ってる姿を想像してたら、ほぼそのとおりの展開でビビった。あと全然、嬉しくなかった。
それに新庄剛志が監督なだけあって、全員、常にウザくて暑苦しい。
ちょっとネタバレになるが、藤子不二雄Fの短編マンガに「盗まれた街」や「E.T.」要素を入れた感じのファンタジー寄りの作品。
ロジカルな話じゃないので文句つけるのも野暮だと思いつつ、とにかく、主人公の刑事二人が行き当りばったりすぎる。
この二人、地元の農園主タンガンさんの住み込み労働者、って設定で潜入捜査を開始する。村人たちにもそんな説明をして、村人たちも納得してるわけですよ。
んで、物語終盤。村に戻ってきた農園主タンガンさんが、二人に会って一言。
「だ、誰だお前らーーーっ!!」
……いやいや、下ネゴしとくとか、口裏くらい合わせとこうよ。農園主タンガンさんが、万が一、早く戻ってきてたら、潜入捜査、一発でオジャンやん。計画性なさすぎでしょ。
しかも、
「バレたとあっちゃあ仕方ない」
みたいに拳銃持ち出すし。だったら最初っから、強行突破でいいやん……。
個人的には村祭りのシーン、三角木馬みたいなのにオッサン二人が跨って戦う出し物が興味深かった。
三角木馬に乗ったオッサンがお互いをビンタしあって、三角木馬から落ちたほうが負け……という誰得な出し物。
こんな「SMスナイパー」ですら思いつかなそうな競技に熱狂するインド人とは、一生わかり会えないかも……と思わせる強烈な印象を残すシーンだった。
よみうりホールの会場は半分くらいインド人で埋まってて、ところどころ笑いも漏れてた。俺にはちょっとよく分からなかったのだが、インド人にとって、この作品は、シュールなコメディ作品として捉えられてるのかも。上映終了後、拍手起きてたし。フォロワーさんにインド人の方がいたら、感想を教えてほしいです。
ついでに、「チュルリラー♪」みたいな音がなったら、インド人たちがアヘ顔になるのは、「ゴジラ☓コング」の小栗旬オマージュなのかも教えてください。
結論としては、太ったインド人のオッサンたちがワラワラと出てくる謎映画が好きな人にとって、★5の作品でした。
※余談ですが、「ギルティ」の感想に書いた骨折から一週間たって、だいぶ青あざも薄くなってきました。一時はハロウィンにノーメイクでゾンビとして出没できるような状態でしたが、かなり回復してます。ご心配頂いた皆様ありがとうございました。